【34回】MIRO ITO発 メディア=アート+メッセージ No.29:世界の調和を願う先人の叡智を求めてースペインサラマンカ大学での法隆寺写真展(by Miro Ito)は6月19日まで

揺らぐ世界の中で、平和を願う心を鼓舞し続けるために、私たちができることの一つとして、先人の叡智や功績に学ぶことがあります。私自身、日本に生まれたことから、そうした先人を探したとき、日本文化の原点を象徴する聖人として、聖徳太子(厩戸皇子・うまやとのみこ・うまやどのおうじ、574-622)の偉業がテーマとして浮上しました。NYで直接体験した「9.11同時多発テロ事件」後のことでした。

 

国外発の法隆寺国宝写真展

秘仏・聖徳太子像:映像作品「Historical Significance of Hōryū-ji Temple and Prince Shōtoku」(short film by Miro Ito)より

 

アーティストMIRO ITO(本物の日本遺産イニシアティブ・メディアアートリーグ)による、スペイン・サラマンカ大学日西文化センターでの法隆寺写真展「世界史における法隆寺と聖徳太子(La importancia histórica del templo Hōryū-ji y el príncipe Shōtoku)」は、6月19日までとなりました。同展は、法隆寺の国宝写真展覧会として、海外で初めて実現され、第25回目となったサラマンカ日本文化週間を記念して3月17日に始まりました。

 

日本美術の原点としての法隆寺

法隆寺は、世界最古の現存する木造建築群で知られ、日本で初めてのユネスコ世界文化遺産に登録されました。その仏教美術群は、世界的にも極めて貴重で、7世紀(飛鳥時代)の東アジア文化の頂点が色濃く反映された国宝や文化財が数多く伝えられています。中国や朝鮮半島の仏教美術を元にしながら、日本独自の昇華を遂げた芸術の粋は、日本美術の原点とされています。

 

会場は世界で唯一、美智子上皇妃の名前を冠することが許された「美智子サマホール」(写真:Japan Authentic Heritage Initiative)

現存する世界最古の木造建築群:法隆寺西院伽藍

 

7世紀の白眉の国宝群

同展覧会で紹介されている国宝を代表するのは、二つの聖徳太子の等身像といわれる秘仏、飛鳥時代の救世観音像(7世紀前半から半ば)と太子の死後500年後に作られた聖徳太子像(摂政像、1122年)です。同じく聖徳太子の等身坐像と言われる金堂の釈迦三尊像をはじめ、金堂四天王像、金堂薬師如来像など、7世紀の白眉の国宝を、写真掛け軸でご覧いただけます。

 

秘仏・救世観音像:映像作品「Hōryū-ji Temple and Prince Shōtoku」(short film by Miro Ito)より

百済観音像:映像作品「Hōryū-ji Temple and Prince Shōtoku」(short film by Miro Ito)より

法隆寺に守られている飛鳥時代の白眉の国宝群 (パンフレット 「La importancia histórica del templo Hōryū-ji y el príncipe Shōtoku」より)

 

またルーブル美術館で1997年に展示された百済観音像、大英博物館に2019年に展示された夢違観音像も、さらなる花を添えています。さらに聖徳太子信仰の広まりとともに、作られるようになった二つの重要な像、聖徳太子の二才像と十六才(孝徳像)は、日本で最初の寺院である元興寺(法興寺)からの重要文化財です。 (※七才像は法隆寺所蔵品)。

 

もう一つの大きな魅力

この展覧会のもう一つの魅力は、法隆寺を創建した、聖徳太子を日本の最初の聖人として位置付け、その普遍的な叡智の一端を、講演(3月18日にサラマンカ大学で開催)やオリジナルな映像作品にて紹介していることです。

聖徳太子は、皇太子として、第一条において「和を尊ぶ」ことを説いた、日本最初の十七条憲法を604年に発令しました。その前年には、豪族が競い合っていた飛鳥時代に、家柄ではなく能力を重視する「冠位十二階」を制定し、天皇を中心とする中央集権的な国の仕組みを整えました。さらに対外的には、中国(隋)と対等な外交を展開しました。

 

秘仏・救世観音像(左)と秘仏・聖徳太子像(右)(写真:Japan Authentic Heritage Initiative)

 

聖徳太子は、社会制度、宗教、思想、教育、文化芸術において、今日に続く日本という国の基礎を作り、日本文化の原点を象徴しています。

この展覧会は、日本のみならず、7世紀の東アジア美術の粋を伝える、世界的な宝物を、️1400年前に遡る、聖徳太子の平和への願いとともに鑑賞いただける稀有な機会です。撮影者のMIRO ITOは、法隆寺から異例の許可を得て、撮影に20年を費やしました。

6月19日までご覧いただけますので、世界遺産の街サラマンカへ、ヨーロッパで4番目に古い大学であるサラマンカ大学の「美智子さまホール(サン・ボアール宮)」へぜひ足をお運びください。

さまざまな聖徳太子像法隆寺金堂釈迦三尊像(左側)、法隆寺の七才像(右から二番目)および元興寺の二才像(右から三番目)と十六才像(一番右)。(写真:Japan Authentic Heritage Initiative)

 

La importancia histórica del templo Hōryū-ji y el príncipe Shōtoku (展覧会:世界史における法隆寺と聖徳太子) 

場所:サラマンカ大学日西文化センター・美智子さまホール

(Centro Cultural Hispano Japonés (Universidad de Salamanca), Aula Magna S.M. Emperatriz Michiko

期間:2026年3月16日から6月19日(入場無料)

開館時間:月〜金(11時〜13時45分、17時30分から20時45分

住所 Pl. de San Boal, 13, 37002 Salamanca, Spain

電話: +34 923 29 45 60

URL: https://www.centrojapones.es/exposicion-templo-horyuji-2026/

主催:サラマンカ大学日西文化センター

共催:日本カメラ財団、本物の日本遺産イニシアティブ

企画・制作:メディアアートリーグ

写真・文・監督:MIRO ITO

英語編集:Andreas Boettcher

スペイン語編集:サラマンカ大学日西文化センター

撮影協力:法隆寺

映像製作:奈良県

助成:東京倶楽部

軸装:佐河太心

 

令和8年6月7日

MIRO ITO 伊藤みろ

 

More Information:

MEDIA ART LEAGUE (blog No.30)

TRIBUNA SALAMANCA

https://www.tribunasalamanca.com/noticias/438030/japon-desembarca-en-salamanca-una-semana-de-arte-gastronomia-y-tradicion-en-la-universidad

FUNDACIÓN JAPÓN MADRID

https://md.jpf.go.jp/es/Actividades/Eventos-organizados-por-otras-instituciones/evento/351/exposicion-fotografica-miro-ito-salamanca

SALAMANCA.COM

https://www.salamanca.com/evento/la-importancia-historica-del-templo-horyu-ji-y-el-principe-shotoku-en-el-cchj-exposicion-en-salamanca-2026/

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