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#盧舎那大仏

【第20回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.19 国のはじまりの奈良ー聖徳太子・聖武天皇「日本の二人の聖人」から大和四寺「花巡礼」まで (by Miro Ito)

2021-10-21

【ご挨拶】

2021年の奈良大菊人形展(10月30日~11月7日・奈良公園バスターミナル会場)開催にちなみ、記念講演をさせていただく運びとなりました。

本年の菊人形展は「聖徳太子没後1400年」をテーマに、聖徳太子と推古天皇、蘇我馬子など、聖徳太子と関わりのあった人物の菊人形が展示されます。

また同日に始まる本年の正倉院展(10月30日~11月15日、奈良国立博物館)のテーマは大仏造立です。752年の大仏開眼法要において、東大寺に献納された品々がまとまって出陳されます。

これら「聖徳太子1400年御遠忌」と大仏開眼供養会にちなんだ正倉院展を記念し、聖徳太子と聖武天皇の偉業に見られる「普遍のこころ」をテーマに、映像上映ならびに解説をさせていただきます。

 

映像詩「いまに生きる奈良」(製作:いかす・なら地域協議会、監督・撮影・文:Miro Ito)より

 

日本の二人の聖人 世界的な視点から見つめる偉業

私にとっての「心のすみか」である奈良の世界遺産・国宝・宗教行事を取材し始めて16年以上が経過し、奈良に始まる日本の精神文化を海外に発信する国際文化事業を、ライフワークとして、手掛けさせていただいてまいりました。

かつてNYで体験した「9.11同時多発テロ事件」を契機に、混迷に向かう世界への答えを求めた時、日本の1400年の神仏習合の伝統にたどり着きました。それ以来、日本の二人の聖人、聖徳太子と聖武天皇の偉業を取材し、多くの先生がたから学ばせていただきました。

世界的な視野から「聖人」と呼ぶにふさわしいお二人の業績を、微力ではございますが、二つの映像作品を通してご紹介しながら、解説をさせていただきたいと存じます。

「国のはじまりの地・奈良」へお出かけの際は、ぜひ足をお運びください。

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奈良菊人形展~国のはじまりの地・奈良~記念講演

「日本の二人の聖人 聖徳太子と聖武天皇~時を超える普遍のこころ」

講師:MIRO ITO (伊藤みろ)

主催:文化庁、日本芸術文化振興会、奈良県

日時:2021年10月30日(土)午後17:00~18:20

場所:奈良公園バスターミナル レクチャーホール

定員:150人(参加無料、先着順)

お申し込み: www.asahi-family.com/miro/

お問い合わせ:「普遍のこころ講演会」事務局 (Tel:06-6201-0638/平日10:00-16:00)

協力:いかす・なら地域協議会、法隆寺、東大寺

【プログラム】

❶ 映像詩「いまに生きる奈良」(前半) :  聖徳太子から鑑真和上の来日まで

❷ 解説

❸ 映像詩「大仏さまは生きている」

❹ 映像詩「いまに生きる奈良」(後半) :  南都六大寺と春日大社 シルクロード交流の証

 

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【同時開催写真展】

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「大和四寺 みほとけを荘厳する花景観 

長谷寺~室生寺~岡寺~安倍文殊院 Photo by Miro Ito」

期間:2021年10月30日~11月7日

場所:奈良公園バスターミナル 1Fギャラリー

主催:奈良県

協力:奈良大和四寺巡礼の会(長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院)

奈良県ビジターズビューロー

機材協力:キヤノンマーケティングジャパン

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長谷寺の桜 東側から本堂を望む

 

菊人形展と同時開催にて、疫病退散祈願の聖地である大和四寺における「みほとけを荘厳する花景観」をテーマにした写真展を、2021年10月30日から11月7日まで、奈良公園バスターミナル1Fで開かせていただきます。

奈良県中央部に位置する長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院の「大和四寺(やまとよじ)」は、いずれも1200年以上の歴史を誇る古刹です。

日本の曙の地である奈良県中央部には、かつて磐余(いわれ)・泊瀬朝倉・飛鳥・藤原京といった都が置かれ、古来「国中(くんなか)」と呼ばれていました。

そこは美しい自然全体が季節ごとに色とりどりに開花・紅葉し、極楽浄土にも比せられる、豪奢な花景観を見せています。

山々に囲まれた長谷寺・室生寺は、ほとばしる自然の輝きが季節ごとに、豊かな色彩の交響曲を奏でる別世界です。

長谷寺が日本最大級の観音様の「観音霊場」ならば、深い山奥に鎮座する室生寺は、女人禁制の高野山に対して「女人高野」として知られる聖地です。

「日本最古の厄除け寺」岡寺では、桜や石楠花で埋め尽くされた参道から、飛鳥の山々が一望でき、古代日本人の思いと出合うことができます。

また「日本三大文殊の一つ」安倍文殊院は、桜の名所・桜井にあり、春には桜、秋には満開の秋桜が荘厳する別世界となります。

岡寺 春の飛鳥を借景する枯山水

 

それぞれ花そのものが、みほとけの慈愛の賜物であることが感じられます。

大和四寺は、古くからの疫病退散の巡礼地として、治癒を求める参拝客が全国から訪れていますが、コロナ禍の収束への願いを込めて、ご案内させてくださいませ。

奈良公園バスターミナル屋上の菊人形展と併せて、ご鑑賞くださいませ。

令和3年10月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ

Photo & Text by Miro Ito. All rights reserved.

 

【第14回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.13 ギリシャと奈良をつなぐヘレニズムの華

2019-01-16

「光と希望のみち」展は、2016年5月にNY国連本部で始まり、7カ国8都市目の巡回先として、神話と東方教会の聖地であるギリシャへやってまいりました。

日希修好通商航海条約締結120周年記念事業キックオフ行事として、ビザンチン・キリスト教博物館で1月16日から開催されます(2月10日まで)。

開催場所のビザンチン・キリスト教博物館は、ギリシャ国会議事堂(旧王宮)やフランスやアメリカ、オーストリアなどの各国大使館、博物館が立ち並ぶアテネのメイン通り、ヴァシリシス・ソフィアス大通りにあります。

この博物館の二階の企画展ギャラリーにて、天平彫刻の最高傑作である東大寺の至宝を中心に、春日大社の舞楽面を加えた奈良の国宝・重要文化財46点が、写真作品として、ギリシャで初めて紹介されます。もとより同博物館では、日本をテーマにした企画展は、1914年の創設以来、初めてのことだそうです。

アテネの聖地の中の「平城京」

世界でも有数のキリスト教博物館の二階に、日本の神仏混交の聖地である「奈良」がすっぽり入ってしまったような、奈良の神秘的かつ聖なる雰囲気が、厳かな静けさを湛えています。

“Road of Light and Hope” at the Byzantine and Christian Museum, Athens

とりわけ大仏さまの作品がかけられた広間からは、アテネで一番高いリカヴィトスの丘上のアギオス・ヨルギオス教会が望まれ、神々を抱く天の玄関にいるような神妙な景観が開けています。

アクロポリスの丘と双璧をなす、標高227mのリカヴィトスの丘は、カラスの凶報により、女神アテナが落とした岩が山となったといわれますが、ギリシャも、日本と同様、多神教による汎神観の脈絡が自然と共に今も息づいているように思えます。

View from the terrace of the Byzantine and Christian Museum

女神アテナの岩山を眺めていると、山自体がご神体の奈良の三輪山を思い出します。頂上のヨルギオス教会は、元伊勢と呼ばれる檜原神社にも思えてきます。

ヘレニズム文化の華

もとより、仏像や仮面も、ギリシャの神々を喜ばす奉納像(アガルマ)を起源とすることから、天平彫刻に反映されたヘレニズム文化の影響を、古代の東西文化の交流の証として紹介する同展は、ギリシャへの「恩返し」のような趣旨を担っています。

ここでは、古代ギリシャの神々も、イエスキリストも、展覧会の中の仏陀も天部も菩薩も、伎楽面も舞楽面も、清らかな空気に包まれて、清涼感と静粛を湛えて共存しているような、平和そのものの調和があることを感じさるを得ません。

Main entrance of the Byzantine and Christian Museum

この調和のとれた平衡状態を目指していくのが「光と希望のみち」展の伝えるメッセージであり、そのモデルは1400年前に「和」を唱えた聖徳太子にさかのぼるものです。

アレクサンダー大王の東方遠征とともに、ヘレニズム文化が中央アジアへ伝搬し、仏像となって中央アジアからカシュガル、コータンまたはクチャ(〜トルファン)、敦煌、長安を通って奈良に伝えれらた「叡智」とは、こうした共栄共存の道に他なりません。

会場であるビザンチン・キリスト教博物館のアイカテリーニ・デラポルタ館長も、こうした共存の意義を発信するために、同博物館で、日本の仏像展を開きたかったそうです。物質的な世界の価値観では見えにくなってしまっているものの、世界の異なる宗教行事や宗教美術に結実されている共通の「光」があることを、このたびの展覧会で見せていきたいそうです。

東西文化の源流をつなぐヘレニズム文化の華麗な変遷を、ギリシャから奈良まで辿ることで、すべてが一つであり、皆つながっていること。皆それぞれがかけがえのない華であることを訴えていくのが、「光と希望のみち」展の趣旨になり、それを奈良の世界遺産や国宝・重要文化財の写真や映像作品、講演会で見せていくものです。

日希修好通商航海条約締結120周年記念式典

1月14日の記念式典では、ビザンチン・キリスト教博物館のアイカテリーニ・デラポルタ館長、ゲオルゲ・カトロウガロス・ギリシャ外務副大臣、清水康弘駐ギリシャ日本大使がご挨拶されましたが、ご挨拶の中で「光と希望のみち」展につきましても、「日本とギリシャの古代からのつながりを示す最高の展覧会」とのお褒めの言葉を頂戴いたしました。

それは、まさしく奈良の1400年の伝統力が培ってきた芸術の力、そしてシルクロードを経て、東西文化の融合の結果花開いた、日本独自のヘレニズムの華への賞賛にほかなりません。

His Excellency Ambassador of Japan to Greece, Mr. Yasuhiro Shimizu

なお1月29日(19時30分〜21時)には、ビザンチン・キリスト教博物館での講演会も予定しています。詳細は、ビザンチン・キリスト教博物館のサイトをご参照くださいませ。

http://www.byzantinemuseum.gr/en/?nid=2371

ギリシャ展の様子は、また第二弾をご報告したいと思います。

末筆ながら、この度の展覧会開催のために、ご尽力いただいた関係各位に、心から感謝を申し上げたいと存じます。

アテネより

2019年1月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ代表

Text by Miro Ito /Media Art League. All Rights Reserved.

“Road of Light and Hope – Voyage of the Hellenism to Japan”

Photographs and Text by Miro Ito

Byzantine and Christian Museum

場所:Leoforos Vasilissis Sofias 22, Athina 106 75, Greece

期間: 16th – 28th January, 2019

共催:Byzantine and Christian Museum、在ギリシャ日本大使館、日本カメラ財団、メディアアートリーグ

後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー

撮影協力:東大寺、春日大社、奈良国立博物館

WEBサイト:http://www.byzantinemuseum.gr/en/

更新:2019年1月26日

【第13回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.12 地球という<いのち>を思いやる

2018-10-30

Poster:”Road of Light and Hope”, Museo Nacional de las Culturas del Mundo, Mexico

共感の連鎖

災害や疫病、戦争や貧困という世界の課題以外に、地球温暖化や環境汚染といった差し迫った問題は、もはや私たちを待ってはくれません。地球を一つの生命として捉え、いのちとして共感し合い、地球を守らなければならない時代がやってきました。

世界の未来に答えるために、思いやりを持って、行動すること_。私たち自身が問題の一部ならば、同時にわたしたちこそが、解決の一部なのです。私たちひとりひとりの地球への思いやりは、小さなさざ波にすぎないにしても、音叉のように、その波動を、世界全体に広げていけるのではないでしょうか。

大地に小さな石が存在しているように、宇宙に星が存在しています。石も星も、人も、動植物も、仲間としてお互いを補い合い、支え合っているのです。この世界観は、東西に共通する普遍性をもつものです。

「1片の木を割っても、私はそこにいる。一つの石を持ち上げても、そこに私を見出すであろう」(イエスの言葉「トマス福音書」より)

極小の塵から、極大の宇宙までを一体的に捉える、東西に共通する叡智こそが、「地球」といういのちへの思いやりのある、行動の規範だと考えるところです。

 

全ては「生き物」としてひとつである

さて、在外公館や国際交流基金からのお力添えにより、展覧会「光と希望のみち」(*)にちなみ、日本国と諸外国の周年行事や文化機関において、大変光栄にも、スピーカーとして招かれる機会が増えてまいりました。

(*共催:在外公館、国際交流基金、メディアアートリーグ、日本カメラ財団ほか、後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)

2年前のストラスブール欧州評議会でのスピーチからはじまり、トロント国際交流基金、シカゴ大学、リオデジャネイロ「日本月間」オープニングイベント、そして来月はメキシコシティへ_。

テーマは、東洋の華厳思想、すなわち西洋の新プラトン主義と共通する「すべては一つであり、一つはすべてである」ということ。そして「宇宙も、一つの<いきもの>であり、全てのうちに<共感>なる相互作用がある」(新プラトン主義)というものです。

奈良に残され、受け継がれているヘレニズム文化の影響を色濃く残す、日本の古代の有形・無形の世界遺産をテーマに、そうした東西間の<共感(シュンパティア[συμπαθεια])>を相互に喚起させるために、展覧会・映像上映およびレクチャー形式で、訴えていくものです。

1400年前に遡り、シルクロードを介して東西文化の源流をつなぐ傑出した国宝・重要文化財の写真作品を「証拠」として見せながら、私たちが「皆ひとつであり、すべてがつながっている」ことを伝える趣旨を担っています。

 

リオからメキシコシティへ

本年7月には、ブラジル日系移民110周年を記念し、リオ・デ・ジャネイロで開催された「日本月間」での写真展「光と希望のみち」では、記念行事のオープンングでレクチャーを行い、映像上映もさせていただきました。

行事の後には、列席されたアメリカ総領事から、<共感>の言葉をいただけたことが、貴重な収穫となりました。またリオ州立大学での体験も、東西文化の交流史を地球規模で示していくことの重要性につき、確信を強めてくれました。(※日本月間には、3週間半の開催中に、6万2000人の訪問客がありました。)

来月のメキシコシティでは、日墨外交関係樹立130年を記念するイベントが、メキシコ国立多文化博物館において開かれます。近年にない規模の大型日本文化紹介イベントが行われ、世界巡回展「光と希望のみち」も参加させていただきます。

11月8日の記念式典では、高瀬寧(やすし)メキシコ日本国大使、国際交流基金メキシコ日本文化センターの杉本直子所長に次ぎ、私もスピーチをさせていただく予定です。<共感>の輪が、これよりメキシコへも広がることを願う次第です(展覧会は12月3日まで)。

 

見えないものを見る

Poster : “Signs of the Intangible”, JIC Hall / Consulate-General of Japan in Chicago

 

一方、日加修好90周年を記念し、在トロント日本国総領事館のご後援のもと、5月から6月末までトロントの日系文化会館で開催された「隠し身のしるし(Signs of the Intangible)」展は、11月1日から、在シカゴ日本国総領事館広報文化センター(**)へと巡回させていただくことになりました(11月28日まで)。

(**共催:メディアアートリーグ、日本カメラ財団、助成:東京倶楽部、 後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)

同展は、日本の1400年の心体景観をテーマにした写真展です。

もともと超自然的なものへの奉納として芸術が始まり、見えない自然の力(カミ)が仏教の受容とともに、形を得て仮面となり、仏像・神像となり、さらに身体芸術となりました。1400年の歳月とともに、高度に洗練され、磨かれ、深化さえもされて、能から前衛舞踏に至るまでの、日本独特の心体文化を形づくってきました。

そして仮面が見えないものと見えるものをつなぐ「境」であるならば、身体は、神仏集合の1200年の伝統において、悟りを目指す修行の「場」と考えられてきました。

こうした日本の奉納の身体芸能の独自の歴史については、ノースウェスタン大学の招待により、11月16日の特別レクチャーで、お話させていただく予定です。

私の試みは、過去と未来をつなぎ、東西文化の「橋掛かり」をつくることですが、講義の中では、身体を通して、私たちひとりひとりが、生き生かされているという<永遠なるもの>とつながりうる心体文化について、語っていきたいと思います。

もとより有限ないのちは、宇宙の無限の生命循環の中で、永遠なものへと帰ってくわけです。現実世界では、心身一如を通して、永遠なるものとつながることで、見えないもの、見えるものも、すべてがつながっていることに、気づくことができるのではないでしょうか。

在シカゴ総領事館JICホールでは、11月13日午後6時より、伊藤直樹総領事からご挨拶をいただき、アーティストトークイベントを行います。

また伎楽をバレエとして復興させた「伎楽バレエ」(踊り手:春双)も、シカゴでは二度目の発表になりますが、トロント、リオ、そして11月8日のメキシコに続き、披露させていただく予定です(芸術監督:伊藤みろ)。

✨✨✨✨✨

11月にシカゴ、そしてメキシコティへお越しいだだける際には、ぜひご来場いただけるようでしたら、大変幸せに思います。

東西の交流の歴史とつながりながら、地球への思いやりを乗せて

(文中敬称略)

2018年10月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Text by Miro Ito /Media Art League. All Rights Reserved.

【第12回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.11「トロントからリオへ:平和への祈りと巨像の道」

2018-08-20

(Mês do Japão 2018 フライヤー)

トロントからリオへー平和への祈りと巨像の道

残暑お見舞申し上げます。

本年は、長崎の平和祈念式典に、国連のグテレス事務総長が初めて参列し、核なき世界平和への祈りが、国境を越えてさらに広がることが願われました。

私自身、マザーテレサが毎日唱えていたという「フランシスコの平和への祈り」を厳かに反芻しました。自らを「平和の道具」とならしめるための、祈りのことばです。

主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。 

憎しみのある所に、愛を置かせてください。

侮辱のある所に、許しを置かせてください。

分裂のある所に、和合を置かせてください。

誤りのある所に、真実を置かせてください。

疑いのある所に、信頼を置かせてください。

絶望のある所に、希望を置かせてください。

闇のある所に、あなたの光を置かせてください。

悲しみのある所に、喜びを置かせてください。

… … … …    … … … …

(以下続く[*])

さて、6月のトロント日系文化会館でキックオフとなった新しい世界巡回展「隠し身のしるし (Signs of the Intangible) 」に続き、7月には外務省の招待により「ブラジル日系移民110周年記念事業」のため、トロントからリオデジャネイロを訪問しました。

中央郵便局の歴史的な建物が文化センターとなった「リオ郵便局文化センター (Centro Cultural Correios) 」を会場に、「日本月間 (Mês do Japão)」が行われ、私は、5カ国6都市目の展示となった世界巡回展「光と希望のみち(Road of Light and Hope) 」を開催させていただきました(共催:リオデジャネイロ日本国総領事館、国際交流基金、日伯文化協会、メディアアートリーグ、日本カメラ財団、後援:郵便局文化センター、110周年記念委員会、日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)。

リオの「日本月間」は、ブラジル三大紙聞の一つ「Segundo Caderno」紙で大きく取り上げられ、オープニングイベントには、合計300人くらいの方々にお集まりいただきました。

東大寺や春日大社、奈良国立博物館の特別協力のもと、7年がかりで撮り下ろした極めて貴重な奈良の国宝・重要文化財を紹介する写真作品シリーズを前に、星野芳隆総領事、日伯文化協会会長、郵便文化センター館長からご挨拶をいただきました。その後、私のショートレクチャー&映像上映に加え、私自身が芸術監督を務め、伎楽をバレエとして復活させた「伎楽バレエ」 (踊り手:春双) も、会場に華を添えてくれました。

このイベント「日本月間(Mês do Japão)」へは、7月4日から29日までの3週間半の間に、6万2000人が訪れてくださいました。

 

二つの巨像

さてリオデジャネイロといえば、標高710mの「コルコバードの丘 (Morro do Corcovado)」の上に、両手を広げて聳え立つ「キリスト像 (Cristo Redentor)」が有名です。

奈良の大仏さまが”復興”のシンボルならば、リオのキリスト像は”独立”のシンボルです。歴史を紐解くと、かつての宗主国ポルトガルは、ナポレオンの侵攻により1808年から14年間、ブラジルのリオデジャネイロに遷都していた時期がありました。その後、ナポレオンが倒れたのち、リスボンに国王が戻り、その余波の中で1822年、ブラジルが独立を果たしました。その独立100年を機に工事が始まり、1931年に高さ38メートルのキリスト像が建てられました。

その威容は、リオの人々の心の拠り所であり、世界中の訪問客で溢れかえっています。もとより巨像には、奈良の大仏さまと同様、宗教の垣根を越えて、人々の心をつなぐ役割があるように思われます。祈りにおいて、皆が一つになれるからです。

祈りの内容は十人十色ながら、冒頭の「フランシスコの平和への祈り」は、「慰められるよりも慰め、理解されるより理解し、愛されるよりも愛することを求めさせてください」と続きます。そして結句では「与えることで人は受け取り、忘れられることで人は見出し、許すことで人は許され、死ぬことで人は永遠の命に復活する」と結ばれます[*] 。

まさに「愛されるよりも愛すること」「許すことで許されること」にこそ、平和への道があるように思います。そして言葉の上だけではなく、人々の行為がその種となることで、キリストや仏陀の心とも一体となれるように思うのです。

巨像には、自らが平和の種となれることを示し、光となれること(自灯明)へと導く道としての力があるように思われます。

 

巨像の道(グレイトブッダロード)

さて、リオ州立大学での特別講義のテーマは、昨年のシカゴ大学での講義と同様、盧舎那大仏が伝来した「シルクロード叡智の道」についてでした。

アジアの巨像を含む石窟仏教寺院の伝統は、1世紀頃のバーミアン(バクトリア地方)からカシュガルへと抜け、タクラマカン砂漠とタリム盆地の上方を西へ進む天山南路を、クチャ(キジル) 経由で、トルファンに至り、敦煌、雲崗、龍門において開花しました。その西域からの伝統が、唐王朝のときに奈良へと繋がった道を「叡智の道」として紹介しました。

もとより大仏さま造立の背景にある叡智とは、華厳の教えが説く「皆がひとつ」であり、「誰もがかけがえのない華である」というものです。その華厳の心を、「日本月間」を飾るオープニングのレクチャーにおいて、大仏さまや伎楽面の映像作品を通して訴えさせていただきました。イラン出身の移住者の女性からは、「皆がひとつであり、それぞれが多様な華であること」はブラジルの心と同じであり、大いに賛同いただきました。

またリオ州立大学での講義は、ブラジルの若者たちに、予想以上に支持される好結果となりました。1400年前の多文化主義を体現したかのような東大寺の伎楽面・春日大社の舞楽面は、500年以上かけて、ブラジル文化に花開いた多民族主義と重なり合う部分があるためか、1時間半の講義の後は、1時間以上も学生たちと懇談をしました。

盧舎那大仏を「日本の復興の象徴」として紹介するSegundo Caderno紙 (2018.7.4)

聖徳太子が思いみた「和」の心を体現する伎楽面や舞楽面。そして聖武天皇が生きとしいけるものすべての幸せを願って、延べ260万人の国民とともに造立した大仏さま。この夏は、国策として多様性と包容性を掲げるカナダからブラジルへ渡航し、二つの多文化主義の国々で、実に多くの方々にご賛同いただいた体験が、かけがえのない収穫となりました。

この後「光と希望のみち」展は、「日墨外交関係樹立130周年」を記念してメキシコシティを訪れる予定です。

奈良の人類遺産の普遍的な訴求力を通して、平和への祈りの道であり、叡智の道を、引き続き世界に発信していきたいと改めて強く誓う次第です。

さまざまなご支援を与えてくださった関係各位の皆様のご尽力には、心から感謝申し上げ、 平和への祈りを込めて、残暑のご挨拶に代えさせていただきます。

2017年8月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Text by Miro Ito/Media Art League. All Rights Reserved.

注[*] Wikipediaより抜粋

【第5回】伊藤みろ発 メディア=アート+メッセージ No.3 東大寺の国宝を、東西交流の”証”としてカナダで紹介

2017-03-14

Road of Light and Hope

National Treasures of Todai-ji Temple, Nara – Photographs by Miro Ito

「光と希望のみち:東大寺国宝写真展 」が、3月15日から6月28日まで、国際交流基金トロント日本文化センターで始まります。東大寺の1300年の歴史を、東西の文化的な交流や人々のつながりの「証」として、写真作品を通して紹介いたすものです。

「証」は二つのテーマから、捉えることができます。一つは、すべてのつながりを象徴する東大寺の大仏さま(盧舍那仏)の造立の背景。もう一つは、シルクロードを経て日本へと伝えられた、ヘレニズム文化の影響を映し出す、天平の彫刻群の国際性です。

同写真展は、東大寺からの特別なご協力により、国際交流基金トロント、メディアアートリーグ、日本カメラ財団の共催のかたちで、国宝や重要文化財の写真掛け軸41点、ドキュメンタリー写真30点で構成されます。2004年に撮影を開始して以来、聖武天皇の理想や東大寺の歴史から学んだ、人々のつながりへの願いを作品に託してまいりました。

 

●復興と希望の光

今から約1300年前、未曾有の天変地異、大地震や旱魃、飢饉や疫病の蔓延した奈良時代に、当時の450万人の国民の団結によって、東大寺の盧舍那仏が造立されました。たとえ「一本の草、一握りの土」でさえも持ち寄ってほしい、という聖武天皇自らの呼びかけにより、日本のあらゆる地方から物資が届けられ、述べ260万人が労働に参加して、752年に盧舍那大仏が完成されました。大仏造立は、度重なる震災により疲弊し尽くした人々の心を勇気づけるとともに、国家の安泰と雇用の創出を同時にもたらした、前例のない規模の復興事業でした。

その後、盧舍那大仏は、平安、鎌倉、江戸と幾度もの地震に見舞われ、しかも二度の戦災に遭いながらも、その都度、国民が一丸となって、奇跡的な復興を果たしてきました。盧舍那仏は、1300年来、日本の希望の力強いシンボルであり続けてきたのです。

もとより盧舍那仏は、宇宙のすべてのつながりと相互依存の真理を説く、いのちの連帯の象徴です。すべてはひとつであり、ひとつはすべてであり、すべてがつながっているという華厳思想を、図像として表したのが、東大寺の盧舎那大仏なのです。

日本人の心の原風景ともいえる、こうした東大寺の伝統から、時代や国境を超えて、すべてのいのちをつなぐ希望の光を、写真を通して伝えていけたらと願っています。

 

●世界平和へのみちは続く...

東日本大震災をはじめとする、世界を次々に襲うメガ災害による苦難を共に乗り越え、戦争の悲劇を伝え、弱者の痛みを分かち合いながら、民族や宗教の分断化への動きに歯止めをかけるべく、いまひとりひとりが世界の平和に真剣に貢献する気持ちで、助け合い、支え合うことが求められています。

盧舎那仏の造立を通して、動植物までも栄えるよう願った聖武天皇に倣い、生きとし生けるものすべての連帯へのメッセージを、カナダの人々に向けて発信できたら幸せに思います。

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※昨年5月にニューヨーク国連本部で始まった世界巡回展「光と希望のみち」は、ウズベキスタン芸術アカデミー・平山郁夫文化のキャラバンサライ(タシケント)、欧州評議会本部(フランス・ストラスブール)を経て、カナダの国際交流基金トロント日本文化センター・ギャラリーで6月28日まで、3ヶ月間開催されます。

5月後半には、私自身トロントへ赴き、ショートムービーの上映を兼ねたレクチャーを開催する予定です。トロントへ行かれる際には、お立ち寄りいただければ、幸いです。

なお同展覧会については、追って続報を発信いたしますので、楽しみにしていてください。

 

2017年3月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

(※展覧会の詳細は、PDF<JapanF_Todaiji_FINAL_LOWResTRIM>をダウンロードの上、ご参照ください。)

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