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#明治150年記念

【第10回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.9「明治150年 世界機運に飛び乗った幕末・明治遣米使節団」

2018-04-22

明治150年を記念して、在シカゴ日本国総領事館広報文化センターにて、「The LAST of the SAMURAI」展が4月10日から開催されています。幕末・明治にアメリカへ送られた使節団、「最後の侍たち」の肖像写真を中心に、アメリカでの歓迎の様子を紹介する49点の写真展です。

主催は、日本カメラ財団、ならびにシカゴ総領事館と日本文化会館(Japan Cultural Center)、共催はメディアアートリーグ。4月25日までは、同総領事館で開催され、その後、5月5日から13日までは、日本文化会館にて開催されます。

4月10日のオープン二ングの際には、伊藤直樹総領事から、シカゴと岩倉使節団とのご縁を含む、機知に富んだ素晴らしいご挨拶を頂戴いたしました。プロデューサーとして、私もショートレクチャーを行う機会に恵まれ、その後にノースウェスタン大学トーマス・ガウバッツ准教授による、江戸と明治の風俗についてのショートレクチャーが続き、最後に舞踊家・新井春双の居合舞「散り際の美学」(プロデュース:メディアアートリーグ、音楽:Hagi)を披瀝させていただき、いずれも大きな反響をいただきました。

 

世界の激動の100年

私の講演のテーマは、幕末・明治の二つの遣米使節団の背景と目的についてでした。同じレクチャーは、シカゴの名門私立大学ノースウェスタン大学でも、ガウバッツ准教授のクラスにて、行わせていただきました。

徳川幕府による遣米使節団は、万延元年にペリー来航(1853年)の翌年に結ばれた日米和親条約の後、日米修好通商条約批准書交換のために、1860年、77人の侍たちがアメリカに派遣されたミッションです。正史・新見正興を団長とする77人の侍の特使に加え、司令官・木村喜毅(芥舟)、船長・勝海舟が率いる96人が、護衛艦・咸臨丸で随行しました。咸臨丸には、福沢諭吉や通訳・ジョン(中浜)万次郎も同乗していました。

一行は、ワシントンとニューヨーク、フィラデルフィアとボストンを訪れ、各地で熱烈な歓迎を受けました。「ニューヨーク・ヘラルド」紙が「星からの珍客」と評し、また16歳の見習い通詞の立石斧次郎が「トミー」としてアメリカの婦人に大人気となり、「トミーポルカ」という歌が流行するなど、その後の侍伝説を生み出していきます。このトミーは、後に長野桂次郎として、岩倉使節団にも随行しました。

時代的には、1860年のアメリカは、アブラハム・リンカーンが大統領に当選した年でした。そして翌61~65年には南北戦争が勃発。大きな時代の変革の波が、世界に押し寄せていました。

ヨーロッパでは「1848年革命」が起こり、君主制国家に抵抗する自由主義・ ナショナリズムの台頭が連鎖的に発生したことで、ウィーン体制が崩壊し、以降1945年までの「激動の100年」が始まっていました。その後の53~56年のクリミア戦争をきっかけに、ロシアのプチャーチンが、ペリーに続いて日本の開国を求めて1854年に長崎に来航。ロシアとイギリスが長崎で接近したことをきっかけに、徳川幕府と英国は、秘密裏に外交交渉を始めることになりました。

一方、ペリーが日本との和親条約を、最初に単独で締結できたのは、ヨーロッパ諸国が当事者としてクリミア戦争に参戦していたため、太平洋地域に優先的に関心を向けられなかった、という裏事情がありました。

世界の激動の波に呑まれるように、日本においても、1853年から1945年までは、激動の100年となりました。大政奉還を原動力に、富国強兵を国策として、「脱亜入欧」を掲げ、「文明開化」のスローガンの下、西洋先進諸国への仲間入りを果たすべく、一気に近代化・工業化への階段を駆け上っていきました。

開国後は、日本の近隣諸国との関係も変化し、それが二度の世界大戦の入り口となりました。そして第二次世界大戦後は、日本は民主国家として再生され、世界的には、植民地の独立をもたらし、帝国主義が終焉しました。

 

副産物としての美術外交

一方、明治維新では、あまりにも短い間に、急激な西洋化が進められたことで、飛鳥時代以来、江戸時代までの1200年以上続いた神仏混交の伝統は、廃仏毀釈政策のもとで神仏分離がなされ、多くの仏像や仏具、仏教行事が排除され始めました。その結果、1897年の古社寺保存法の制定、1929年の国宝保存法までの間、仏像や仏画から、絵巻物、水墨画、琳派、風俗画や浮世絵版画まで、大量の秘宝が海外に流失しました。

これらの貴重な文化財は、今日、ワシントンのフリア美術館やボストン美術館、NYのメトロポリタン美術館、大英博物館などで鑑賞することができます。ちなみにシカゴ美術館にも、全米一といわれる浮世絵版画の大コレクションが収蔵されています。

これらのコレクションにより、その後、日本美術の優れた研究者が数多く生まれ、日本文化への理解が深められたことは、ナショナリズムを超えた世界的な宝物の伝搬と保存、研究という視点からは、別の意義が見えてきます。明治維新をきっかけに、国境を越えた日本の優れた伝統芸術による「美術外交」が、その後の日本文化の深い理解への道を開いたものと考えられるからです。

 

シカゴとのご縁

さて、使節団とシカゴとのご縁は、明治維新後に岩倉使節団が訪問したことでした。

一行は、1871年12月13日に横浜を出発、22日かけてサンフランシスコに到着。翌1月31日にサンフランシスコを出発して、サクラメントへ赴き、そこからシエラ・ネバタ山脈を越える鉄道の旅を経て、ユタ州ソルトレイクシティへ到達。その後、ワイオミング準州でロッキー山脈を越え、ネブラスカ州オマハまでの2900キロの鉄道の旅を遂行しました。アイオワ州でシカゴ行きの列車に乗り換えた後は、どこまでも広大なトウモロコシ畑の続く行程を進み、イリノイ州に入ってシカゴに至るまで、オマハからさらに816キロを鉄道で走破しました。

シカゴへの到着は2月27日で、前年10月のシカゴ大火災でまだ被災の跡が顕著に見られたところへ、正史・岩倉具視が5000ドルを寄付したといわれています(『米欧回覧実記』(久米邦武編著、水澤周訳・注、慶應義塾大学出版会)。一行は、当時世界最高水準と言われたミシガン湖畔の揚水装置や水道システム、最新式の消防機械、二箇所の小学校と商品取引所を視察しました。

とりわけ、シカゴとのご縁を語る上でのユニークなエピソードは、唯一の和装姿、「小道服に髷」の公家装束を纏った岩倉正史が髷をシカゴで断髪したことでした。一行は、丸一日をシカゴで過ごし、夜にはシカゴを発って、首都ワシントンを目指し、さらなる1130キロの旅に向かいました。

 

遣米使節団からのメッセージ

今回、「The Last of the SAMURAI」展をシカゴで開催できたことは、二度の世界大戦を経た激動の100年における怒涛のような体験にも拘わらず、アメリカとの長い友好の歴史を振り返り、未来の世代に向けて、相互理解を深めていくために、大変良い機会になったことと願っています。

かつてシカゴ・トリビューン紙は、岩倉使節団について、以下のような記事を掲載しました。

「日本は未開国の中で最も文明化されており、しかもヨーロッパのどの国よりも古い歴史を持っている。われわれの祖先がまだ未開で裸で暮らしていた頃から、日本には政府も法律も学校も文学もあった」(泉三郎著『堂々たる日本人』祥伝社黄金文庫より)。

すなわち民族や文化、宗教や風俗の違いを越えて、人としての威厳、異質なものを尊重する寛容さ、「仁義礼信智」を根幹に置くサムライ精神がアメリカの人々にも、伝わったのだと思います。

使節団は、その後、ホワイトハウスでジェームズ・ブキャナン第15代大統領に国書を奉呈した際、新見正使、村垣副使、小栗監察は狩衣に太刀を佩く、公家や大名の烏帽子姿でした。4頭立ての馬車に乗ってはいたものの、槍持ちやお供を従えた大名行列さながらの一行を見ようと、沿道や通り沿いの家々の窓から屋根上まで、大勢の人々が群がっていました。その熱狂ぶりは、同写真展でもご覧いただけます。

ハリー条約を改正する目的は遂げられなかったものの、150年後にこの歴史を振り返るとき、分断化の進むアメリカ社会において、異質なものを尊重し、互いに信頼し合い、人としての尊厳を大切にし合うことにこそ、幕末・明治の使節団から時空を超えた意義が読み取れるのです。

これこそ幕末・明治使節団による外交の、今日的なメッセージであり、それが「写真外交」となって、次世代への興味を深めるひとつのきっかけとなることを願ってやみません。その意味で「明治150年」にちなんだシカゴでの「The LAST of the SAMURAI」展は、大成功といえる文化事業となりました。

主催者日本カメラ財団、共催者メディアアートリーグを代表して、ご関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

平成30年4月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Text by Miro Ito /Media Art League. Photographs: JCII Collection. All Rights Reserved

 

※関連リンク:

在シカゴ日本国総領事館広報文化センター (4月25日まで)

http://www.chicago.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/jic_main_j.html

在シカゴ日本国総領事館Facebook

https://www.facebook.com/jic.chicago/

日本文化会館(5月5日から13日まで)

https://japaneseculturecenter.com

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