• ニュース
  • ブログ
  • お問い合わせ
Media Art League
Menu   ≡ ╳
  • ENGLISH
  • HOME
  • 概要
    • メッセージ
    • ステートメント
    • 活動内容
    • クロニクル
    • クライアント
  • 伊藤みろ
    • 略歴
    • ポートフォリオ
  • 発表実績
    • 映像作品
    • 写真展
    • 書籍発刊
    • メディアでの紹介
    • メディアでの仕事
  • 文化芸術プロジェクト
    • クロスメディア
    • 展覧会の内容
    • 世界遺産の撮影
    • 寄贈実績
    • 協力・後援・助成
  • クリエイティブプロジェクト
    • アートプロデュース
    • CSR活動プロデュース
    • 撮影プロジェクト
    • WEBメディア制作
    • デザインプロジェクト
  • 出版・教育活動
    • 出版活動
    • 主な出版物
    • 書評・著者インタビュー
    • 教育活動
    • 教本・評論
    • 講演・ワークショップ
  • 国際コミュニケーションズ
    • 国際メディア業務
    • 調査プロジェクト
    • ハイエンド翻訳
    • 取引実績
    • Andreas Boettcher 略歴
  • USA NPO活動
    • 使命
    • 趣旨・目的
    • 活動内容と基本的な流れ
    • 設立・展望
    • 平和への貢献

伊藤みろ ブログ 「いのちと祈りの人類遺産」

【第21回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.20 地球への愛と責任感を実践する「環境革命」に向かって

2022-01-01

「私はカモメ」—女性最初の宇宙飛行士テレシコワの肖像(ウズベキスタン・タシケント市の宇宙飛行士駅)と”地球時計”の融合(Image by Miro Ito)

 

2021年の世界は、コロナ禍との戦い、気候変動を筆頭に、新冷戦の兆し、核を巡る対立、難民問題など、再び多くの困難に見舞われました。

私たちは、これらの試練は、もはや一つの国の問題ではなく、地球全体に関わるものであることに、否が応でも気づかされました。

とりわけ、自然現象における大変動を地球からの警告と捉えるならば、逆境から見えてくる真理とは、「私たちは一つであり、すべては一体である」という、普遍の法則です。

私たちは、同じ空気を吸い、一つの海と空を抱く、母なる地球に生かされているのです。

 

青い地球の涙(Image by Miro Ito)

 

今や生産と消費・効率と利益優先の文明観から、平等な循環と分配・共有を原則に、環境とのバランスを優先する、新しい世界秩序へのパラダイムの転換を、待ったなしで決断する時が来ています。

現在の状況を地球優先の新しい視点で見つめ、生活における優先順位を再配列し、刷新させる必要があります。

新年は、産業革命、IT革命に続く「環境革命」といいうる新しい時代の幕開けなのではないでしょうか。

 

未来に向けて、地球が持続できるかどうかについて、人類の歴史が今後どう展開するかについて、現在の私たちには、その責任があります。

この未来への責任を、愛と創造力を持って受け入れ、世界に利するかたちで発展していくことが、まさに新しい時代のフロンティア・スピリットなのだと信じるところです。

2022年には、愛と責任感と創造性が新しい時代のキーワードになることを祈りつつ…

 

令和4年元旦

MIRO ITO (伊藤みろ)& Media Art League

【第20回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.19 国のはじまりの奈良ー聖徳太子・聖武天皇「日本の二人の聖人」から大和四寺「花巡礼」まで (by Miro Ito)

2021-10-21

【ご挨拶】

2021年の奈良大菊人形展(10月30日~11月7日・奈良公園バスターミナル会場)開催にちなみ、記念講演をさせていただく運びとなりました。

本年の菊人形展は「聖徳太子没後1400年」をテーマに、聖徳太子と推古天皇、蘇我馬子など、聖徳太子と関わりのあった人物の菊人形が展示されます。

また同日に始まる本年の正倉院展(10月30日~11月15日、奈良国立博物館)のテーマは大仏造立です。752年の大仏開眼法要において、東大寺に献納された品々がまとまって出陳されます。

これら「聖徳太子1400年御遠忌」と大仏開眼供養会にちなんだ正倉院展を記念し、聖徳太子と聖武天皇の偉業に見られる「普遍のこころ」をテーマに、映像上映ならびに解説をさせていただきます。

 

映像詩「いまに生きる奈良」(製作:いかす・なら地域協議会、監督・撮影・文:Miro Ito)より

 

日本の二人の聖人 世界的な視点から見つめる偉業

私にとっての「心のすみか」である奈良の世界遺産・国宝・宗教行事を取材し始めて16年以上が経過し、奈良に始まる日本の精神文化を海外に発信する国際文化事業を、ライフワークとして、手掛けさせていただいてまいりました。

かつてNYで体験した「9.11同時多発テロ事件」を契機に、混迷に向かう世界への答えを求めた時、日本の1400年の神仏習合の伝統にたどり着きました。それ以来、日本の二人の聖人、聖徳太子と聖武天皇の偉業を取材し、多くの先生がたから学ばせていただきました。

世界的な視野から「聖人」と呼ぶにふさわしいお二人の業績を、微力ではございますが、二つの映像作品を通してご紹介しながら、解説をさせていただきたいと存じます。

「国のはじまりの地・奈良」へお出かけの際は、ぜひ足をお運びください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

奈良菊人形展~国のはじまりの地・奈良~記念講演

「日本の二人の聖人 聖徳太子と聖武天皇~時を超える普遍のこころ」

講師:MIRO ITO (伊藤みろ)

主催:文化庁、日本芸術文化振興会、奈良県

日時:2021年10月30日(土)午後17:00~18:20

場所:奈良公園バスターミナル レクチャーホール

定員:150人(参加無料、先着順)

お申し込み: www.asahi-family.com/miro/

お問い合わせ:「普遍のこころ講演会」事務局 (Tel:06-6201-0638/平日10:00-16:00)

協力:いかす・なら地域協議会、法隆寺、東大寺

【プログラム】

❶ 映像詩「いまに生きる奈良」(前半) :  聖徳太子から鑑真和上の来日まで

❷ 解説

❸ 映像詩「大仏さまは生きている」

❹ 映像詩「いまに生きる奈良」(後半) :  南都六大寺と春日大社 シルクロード交流の証

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【同時開催写真展】

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「大和四寺 みほとけを荘厳する花景観 

長谷寺~室生寺~岡寺~安倍文殊院 Photo by Miro Ito」

期間:2021年10月30日~11月7日

場所:奈良公園バスターミナル 1Fギャラリー

主催:奈良県

協力:奈良大和四寺巡礼の会(長谷寺、室生寺、岡寺、安倍文殊院)

奈良県ビジターズビューロー

機材協力:キヤノンマーケティングジャパン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

長谷寺の桜 東側から本堂を望む

 

菊人形展と同時開催にて、疫病退散祈願の聖地である大和四寺における「みほとけを荘厳する花景観」をテーマにした写真展を、2021年10月30日から11月7日まで、奈良公園バスターミナル1Fで開かせていただきます。

奈良県中央部に位置する長谷寺・室生寺・岡寺・安倍文殊院の「大和四寺(やまとよじ)」は、いずれも1200年以上の歴史を誇る古刹です。

日本の曙の地である奈良県中央部には、かつて磐余(いわれ)・泊瀬朝倉・飛鳥・藤原京といった都が置かれ、古来「国中(くんなか)」と呼ばれていました。

そこは美しい自然全体が季節ごとに色とりどりに開花・紅葉し、極楽浄土にも比せられる、豪奢な花景観を見せています。

山々に囲まれた長谷寺・室生寺は、ほとばしる自然の輝きが季節ごとに、豊かな色彩の交響曲を奏でる別世界です。

長谷寺が日本最大級の観音様の「観音霊場」ならば、深い山奥に鎮座する室生寺は、女人禁制の高野山に対して「女人高野」として知られる聖地です。

「日本最古の厄除け寺」岡寺では、桜や石楠花で埋め尽くされた参道から、飛鳥の山々が一望でき、古代日本人の思いと出合うことができます。

また「日本三大文殊の一つ」安倍文殊院は、桜の名所・桜井にあり、春には桜、秋には満開の秋桜が荘厳する別世界となります。

岡寺 春の飛鳥を借景する枯山水

 

それぞれ花そのものが、みほとけの慈愛の賜物であることが感じられます。

大和四寺は、古くからの疫病退散の巡礼地として、治癒を求める参拝客が全国から訪れていますが、コロナ禍の収束への願いを込めて、ご案内させてくださいませ。

奈良公園バスターミナル屋上の菊人形展と併せて、ご鑑賞くださいませ。

令和3年10月吉日

MIRO ITO 伊藤みろ

Photo & Text by Miro Ito. All rights reserved.

 

【第19回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.18「本物の日本遺産イニシアティブ」発足のご案内

2021-08-07

世界に対する答えを見つける

この1年半は、世界の多くの人びとにとって、忍耐の時間でした。

TOKYO 2020 オリンピックでは、国籍、人種を超えた世界最高峰のアスリートたちが熱戦を繰り広げ、多くのアスリートがコロナ禍による延期の1年の結果、逆境をチャンスに変えた成果を見せてくれていました。忍耐とは、それ自体が一つの活動の力となりうることに、改めて気づかせてくれます。

コロナ禍という、未曾有のパンデミックに世界が晒され、2021年8月6日の時点で、2億人100万人が感染し、427万人が死亡した世界的な出来事を前に、世界は一つの運命共同体である、という思いが強まるばかりです。

コロナ禍がきっかけとなった新しい時代のための新しい意識とは、分断化がますます進む世界において「世界は一つであり、私たちも皆一つなのだ」とする意識を全開させることなのではないでしょうか。

この意識は、もう一つの重大な危機である、気候変動問題とも切り離せないものです。

江戸時代後期の世界地図(部分、Ensign, Bridgman & Fanning)

 

「本物の日本遺産イニシアティブ」

私自身、ニューヨークで体験した9.11同時多発テロ事件以来、世界の一体性へのメッセージを発信すべく、日本の1400年の歴史の中に、東西文化の交流の証を探る「光と希望の道」プロジェクトをスタートさせました。

それから間もなく20年が経過し、1400年の日本文化とシルクロードのつながりを展覧会や書籍、映像作品として「見える化」させ、コロナ禍以前には、2016年から2019年の間に、外務省国連日本政府代表部・在外公館や国際交流基金、日本カメラ財団との共催で、世界巡回展を11カ国12都市で開催いたしました。

その後、世界での展覧活動はコロナ禍の影響を受けて保留中であるものの、その静止の期間を生かして、このたびオンラインでの活動を本格化させるべく、国際広報事業「本物の日本遺産イニシアティブ」をスタートさせました。

同イニシアティブでは、1400年の歴史以来、シルクロード諸国からの恩恵を受け続けた日本文化から、世界の未来にいかに貢献しうるかをテーマにしてまいります。

そのために独自の「メディア=アート+メッセージ」づくりを行いながら、中期的に財団設立を目指し、同じ志を持つかたがたを同志=会員として、募っていく活動です。

 

映像詩「いまに生きる奈良」(33分)

映像詩「いまに生きる奈良」(監督・撮影・文:MIRO ITO 伊藤みろ) 製作:いかす・なら地域協議会

さて新しいWEBサイトのご案内を兼ね、2005年より15年以上かけて取材をしている奈良への思いの丈を込めさせていただいた、映像詩「いまに生きる奈良 シルクロード東の終着点〜1400年の精神文化の回廊」という作品のご案内をさせてくだいませ。

同作品は、文化庁クラスター事業「いかす・なら地域協議会」の製作で、私が監督・撮影・文を手がけさせていただきました。2006年から本年1月までの撮影をもとに、33分の映像にまとめたものです。

南都六大寺+春日大社の伝統をご紹介しながら、奈良をシルクロード東の終着点であり、日本の神仏習合の1400年の聖地として位置付けるものです。

本年の聖徳太子1400年御遠忌にちなみ、東アジアにおいて仏教の教えを元に国づくりを行い、国際交流の先鞭をつけた聖徳太子の偉業の紹介に始まり、国難克服・国民救済のための復興事業である聖武天皇による大仏造立、美術や芸能として継承されきた神仏習合の麗しき伝統、さらに奈良にいまも息づく東西文化の交流の証の粋を、映像詩としてつづります。

「本物の日本遺産イニシアティブ」のご案内かたがた、「いまに生きる奈良」をご覧いただけたらと願い、お知らせ申し上げます(※下記リンク Cinepoetry をクリックしてください)

Cinepoetry

それでは「本物の日本遺産イニシアティブ」におきましては、ぜひ皆さまとご参加いただければ、幸いに存じます。

興味を抱いていただけれるようでしたら、同イニシアティブのサイトへお越し下さいませ。

 

「本物の日本遺産イニシアティブ」サイト: japan-authentic-heritage-initiative.org

 

猛威を振るうコロナ禍の収束を祈りつつ、世界の一体性への願いとともに、引き続きご厚誼のほど、どうぞよろしくお願いたします。

末筆ながら「本物の日本遺産イニシアティブ」発足のために、ご協力をくださった多くのかたがたに、心から厚く御礼申し上げます。

令和3年8月7日

MIRO ITO 伊藤みろ

本物の日本遺産イニシアティブ: japan-authentic-heritage-initiative.org

メディアアートリーグ : mediaartleague.org

Photo and text by Miro Ito, Japan Authentic Heritage Initiative/Media Art League. All rights reserved.

【第18回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.17 清らかな蓮のように、自然の叡智に向かう

2020-04-26
1300年前の種を受け継ぐ奈良の蓮

毎日、世界の多くの国々で報じられる言葉を失う惨状を、深まる悲しみともに切り抜けながら、新しい時代が始まろうとしています。

新型コロナ感染の災禍とともに、一人一人の自粛への自覚が求め荒れるつつある今、これを乗り越えることができた未来では、「BC(Before Corona) 」「AC (After Corona) 」といわれる世紀の大転換が起こると予見されています。

かつて疫病による人口激減が賃金上昇を引き起こし、労働の機械化が一気に進行した産業革命後のヨーロッパのように、コロナ感染拡大によって、これまでの生活の変化を余儀なくされ、労働のIT化やAI化への変革が後押しされつつあります。

一方、人同士の距離感の拡大によって排他的風潮と疎外感が広がり、世界の分断化だけではなく、社会の管理・監視化が進むことが懸念されています。コロナ感染拡大は、もはや伝染病との戦いである以上に、信頼と協調に基づく社会生活、ひいてはヒューマニティと人権への挑戦となっています。

奈良・大峰山の石仏観音像

蓮華座

さて、仏陀の悟りの姿である仏像は、両足または片足の甲を反対側の腿の上に乗せる姿勢(結跏趺坐または半跏趺坐)で座っています。

不自由でありながらも、もっとも身体を安定させるため、禅定(ぜんじょう)の修行法として、蓮華座とも呼ばれます。

仏陀は、世界そのものを、蓮華に喩えました。また宇宙を一輪の蓮華の上に立ち現れる世界(小宇宙)の無数の集合体(大宇宙)として表し、さらにその大宇宙が無数に点在する教えを説いています。この光景は、奈良・東大寺大仏さまの蓮弁に「蓮華蔵世界」として1300年前に刻まれました。

蓮華は、泥の中で育まれる清浄心の喩えでもあります。煩悩にまみれた世の中でも、汚れのない心のあり様が立ち現れることの象徴です。さらに私たちひとりひとりが、かけがえのない命の華に他なりません。

有限の中で無限に目覚める

外出自粛や自宅待機という社会的な自由が阻まれる中、瞑想をすることで心の安静を保つ乗り越え方があります。

蓮華座を組んで静かに座ると、有限な身体の制約の中で、心が無限に開かれていくことが感じられます。 無際限の宇宙に向かって自我を解き放つことで、自分がなぜこの世に存在するのか、何をしなければいけないのか、どこに向かいつつあるのか、真実を求めていく限り、いつしか答えも自ずと立ち上ってくることでしょうか。

その先に開かれてくるのは、すべてが絶え間なく流転する、という自然の本性であり、私たち自身も自然の一部である気づきです。

すべてが相互につながり合い、支えあっている自然の命こそが、私たちの存在の本源的な要素であることに目覚め、地球という命を守るために、新しい自粛の機運が、これまで以上に高まることが願われるばかりです。

命の源であり、命そのものである地球

叡智に向かう選択

1300年前の蓮の種から復活した蓮は、今年も、私が愛してやまない古都・奈良で花を開かせます。 

時空を超える蓮のような清らかな未来を思い描きながら、自然の叡智への目覚めとともに、「効率優先」のこれまでのグローバル化へ逆戻りするのではなく、「いのち優先」のグローバル化の始まりを祝福するものであってほしい、と願われるところです。

コロナ感染拡大と地球温暖化も、ともに私たちの命に関わる重大な危機です。私たちの選択によって、地球の汚染がどれほど緩和されるか、奇しくもコロナ危機は、私たちに示してくれました。

人の命とともに、大元である地球の命を守りながら、自然の智恵によって清められる新しい時代の開花を願いながら…

合掌

令和2年4月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Media Art League

East meets West, North meets South through “Media = Art + Message”

Photographs & Text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.

【第17回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.16 国境を超えて地球を愛する 

2020-01-03

新年明けましておめでとうございます。

皆様にとって新年が、ご多幸の年となることをご祈念申し上げます。

新たな10年の試練

持続可能な未来をどう描くか、いまや世界は試練にさらされています。地球規模での気候変動が予測を超えた速さで進み、世界気象機関(WMO)によると、過去5年間は観測史上、最も暑かった5年間でした。私たちに今必要なのは、地球環境の持続性にかかわる脅威と取り組む生き方を、真摯に求めていくことです。

センス・オブ・グラティテュード

私たちのいのちは、地球のいのちとひとつです。地球の健全さを私たち自身のことと考え、最優先課題として、私たち自身の暮らし方と結びつけ、新しい価値体系を生み出す生き方へと、ともに歩むということを、実践していきたいものです。持続可能な生き方の基本は、私たちが生かされている自然環境を慈しみ、自然の恩恵に感謝することです。慈しみと感謝の連鎖が、気候変動に歯止めをかける意識を育み、持続可能な未来を構築できるのではないでしょうか。

人類という真の国籍

地球温暖化には、国境がありません。地球を守るには、人類という単位が必要です。いまこそ「人類という真の国籍」(H.G. ウェルズの言葉)に目覚めていくべきときです。

人類愛、自然愛、地球愛

自然を慈しむこころは、神道の基本であり、仏教では、すべてのつながりを宇宙の真理として説いています。「隣人を愛する」というキリストの教えは、人類愛を根底にしながら、生きとしいけるものへの愛へと開かれていくものです。人も自然も、水も空気も、光もエネルギーも、循環する万物のすべてに感謝に満ちた態度で臨むこと。日々の瞬間瞬間に、いまここで生かされていることに感謝し、人類愛、自然愛、地球愛に向かって開かれ、お互いにつながっていくこと_。私たちの希望は、私たちの愛あるつながりと行いに帰結するのではないでしょうか。

本年も、東西南北のつながりと心の連帯を訴える文化芸術プロジェクト「光と希望のみち」をどうぞご一緒くださいませ。新年もどうぞよろしくお願いいたします。

令和二年一月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ
Media Art League

East Meets West, North Meets South through “Media = Art + Message”

Photographs & text by Miro Ito/Media Art League. All rights reserved.

Photo (above) The Afrasiab painting (part), Afrasiab Museum, Samarkand, Uzbekistan (7-8th century CE)Photo (below): A statue of Apollo reclining Buddha-like (from [former] Portuguese Royal Family Collection), National History Museum, Rio de Janeiro, Brazil​​

【第16回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.15 アテネ・チュニス・奈良:世界の3つの古都を巡る、東西・南北文化の源流への旅

2019-10-07

本年1月のアテネに続き、先月9月21日から10月5日まで、アフリカ大陸チュニジア共和国のバルドー国立美術館にて、「光と希望のみち」展が開催されました。

2016年5月にNY国連本部でスタートして以来、8カ国10箇所目の巡回先となり、主催は在チュニジア日本国大使館、チュニジア文化省、国立バルドー美術館、共催は日本カメラ財団、メディアアートリーグです。 

(チュニジア国立バルドー美術館「光と希望のみち」バナー・東大寺戒壇院多聞天立像[国宝、8世紀})

アテネでは、日希修好通商航海条約締結120周年記念事業キックオフ行事として、そしてチュニジアでは、在チュニジア日本国大使館開設50年を記念する催しとなりました。これらの二つの式典は、展覧会のオープニングを兼ね、ストラスブールやリオ・デ・ジャネイロ、メキシコシティに引き続き、共催者ならびに作者として、スピーチをさせていただく大変名誉な機会を頂戴いたしました。

(チュニジア日本大使館開設50年を祝福するエラビディン文化大臣とナイティギル館長のご挨拶を挟んでの、清水信介大使のご挨拶)

 カルタゴとユーラシアの接点

アテネでは、ギリシャから奈良までヘレニズム文化の伝搬の中に、東西文化の源流を辿ることで、すべてが一つであり、皆つながっていることを提示させていただきました。

そしてチュニジアでは、古代オリエント文明に遡る、カルタゴ帝国(前814年~前146年)とユーラシア大陸の文化遺産との接点をあぶり出す試みとなりました。

地中海世界において、クレタ文明(前20世紀~前14世紀)の後、ミケーネ文明(前16世紀~前12世紀)を受け継いだフェニキア文明(前1200年~前800年頃)がカルタゴ帝国として花開き、700年の間、海の交易で栄え、ギリシャ文化と混じり合いました。アレクサンドロス大王によって、前326年以降、全オリエント地域が統一されると、エジプトからカルタゴ、メソポタミア、ペルシア、インドにいたる広大な地域で、ギリシャ文化と多文化が豊かに融合し合って、国際的なヘレニズム文化が生み出されました。 

(バルドー美術館所蔵「笑み面」[前4~前3世紀]と
春日大社所蔵「地久面」[重要文化財、1185年]/撮影協力:バルドー美術館・春日大社)

こうした歴史を紐解きながら、スピーチでも触れさせていただきましたが、カルタゴ帝国と日本文化をつなぐ接点があるとすれば、国立バルドー美術館所蔵のカルタゴの仮面かもしれません。同館の特別な許可を得て撮影させていただいた紀元前4~3世紀の陶製の笑み面、その魔を寄せ付けない爽やかな笑顔は、舞楽の地久面(春日大社蔵、重要文化財、1185年)との共通点が見出せます。

両者にはおよそ1500年の開きがあるものの、海のシルクロード諸国の王朝芸能の流れを汲む舞楽の中で、発祥が謎とされる地久面のルーツは、私見ながら、カルタゴにあるのかもしれないと思えるほどです。

(伊藤みろのスピーチの様子、2019年9月21日バルドー美術館「光と希望のみち」オープニング) 

伎楽面・舞楽面のルーツを求めて

またギリシャ国立考古学博物館蔵の伝アガメムノンの黄金マスク(前1550~1500年)には、遥か3500年前のミケーネ文明の栄華が偲ばれます。金・銀・銅・陶製の埋葬用の仮面は、生前の顔に似せたマスクを被せることで、不死の存在とする意図があったといわれます。

(伝アガメムノンの黄金マスク[前1550~1500年]とギリシャ大理石製喜劇面[前2世紀]、撮影協力:アテネ国立考古学博物館)

呪術や祭祀などの宗教的儀礼を中心に、仮面は不可知な世界と私たちをつなぐ変身の装具として、文化の中で表されてきましたが、それを演劇にまで高めたのは、古代のギリシャでした。紀元前2世紀の大理石製ギリシャ喜劇面は、広い意味で、伎楽面や舞楽面のルーツといえます。

当日は、チュニジア国営TV局(第一チャンネル)から取材をいただきました。チュニジアとギリシャ、そして日本に共通する類似点を辿り、写真作品として見せることで、私たちの文化の源流もひとつであり、そのことから東西・南北を貫く連帯の心を訴えることができたとしたら、本望に存じます。

(チュニジア国営TVの記者との記念撮影)

東京「奈良まほろば館」の講演会

さて10月13日(日)には、東京日本橋三越前にある「奈良まほろば館」で講演会を行い、「正倉院展を前に~ヘレニズム文化と奈良」について語らせていただきます(午前11:00~12:30分・午後13:30~15:00)。

その際には、中央アジアにおける仏像の起源を探りながら、その伝搬ルートと奈良の仏像に残されたヘレニズム文化の影響について、ギリシャやチュニジア、ウズベキスタンやパキスタン等を取材した成果をもとに、私見を述べさせていただきたいと存じます。 

ご興味のある方は、ご拝聴いただきたく、以下のURLをご参照くださいませ。https://www.mahoroba-kan.jp/course.html

(東京「奈良まほろば館」での講演会「ヘレニズム文化と奈良 正倉院展を前にして」10月13日11:00〜12:30&13:30〜15:00)

奈良シルクロードシンポジウムと「光と希望のみち」里帰り展

また10月19日(土)には、奈良県・文化庁・国土交通省の主催にて「2019 奈良シルクロードシンポジウム」が、平城宮跡歴史公園・平城宮いざない館にて開催されます(13:30~16:30)。

基調講演は、奈良国立博物館・松本伸之館長が「シルクロード文化の結晶 奈良」についてお話をされるほか、本年1月の「光と希望のみち」展の会場となったギリシャ国立ビザンチン・キリスト教博物館より、ゲスト講演者が来日されます。ペリアンドロス・エピトロパキス展示・交流・教育部長&エフィ・メラムヴィリオタキ東アジアコレクション学芸員のお二人が、ギリシャ側から、シルクロードとヘレニズムおよびビザンチン文化の旅について、お話をされます。 

私はパネリストとして、第二部に参加いたします。また同時開催で世界巡回展「光と希望のみち」の里帰り展を同館で開催いたします(10月27日まで)。

さらにシンポジウム終了後は、これまで海外で披瀝してきた「伎楽バレエ」(踊り手:春双、芸術監督:伊藤みろ)を、公式での国内初の演舞予定です。

ご参加いただける場合は、下記URLにてお申し込みくださいませ。https://www.sap-co.jp/event_detail/silkroad2019_1/

(「奈良シルクロードシンポジウム2019」10月19日開催予定)

☆☆☆☆☆

本年度は、古代ミケーネ文明の発祥の地であるギリシャから、古代フェニキア文明を継承する旧カルタゴ帝国のチュニジアまで「光と希望のみち」の思いをつなげることができ、大変素晴らしい体験ができました。

ビザンチン・キリスト教博物館、バルドー国立美術館、在ギリシャ日本国大使館、在チュニジア日本国大使館をはじめ、主催・共催およびご後援をいただいた各団体、撮影のご協力をいただいた皆様に、心から厚く御礼を申し上げます。これからも世界各地で世界巡回展「光と希望のみち」を通して、ライフワークとして、奈良を中心にシルクロードの遺産を受け継ぐ日本文化の1400年の深層、そしてそこから見えてくる未来への連帯と寛容へのメッセージを、発信させていただきたいと誓っております。

「光と希望のみち」は、これからも続きます。ぜひご一緒くださいませ。

令和元年10月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Photo & Text by Miro Ito/Media Art League. All Rights Reserved.

(文中敬称略)

【第15回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.14 フランク・ロイド・ライトが受け継いだ日本建築のDNAを求めて

2019-05-02

平成から令和に変わる時代の大きな節目を迎え、在シカゴ日本国総領事館広報文化センターにて「Edo/Tokyo — Seen through its Edifices(建物にみる江戸・東京)」展を4月15日から30日まで、在シカゴ日本国総領事館、日本カメラ財団およびメディアアートリーグにより、共催いたしました。

本年は、明治維新150周年の翌年、そして東京オリンピックの前年という狭間の年に当たることから、江戸から明治への移行期の東京をテーマにしました。これまで写真によって紹介される機会がほとんどなかった明治の草創期である1870年から1877年にかけて、日本との条約の交渉にあたっていたイタリア全権公使バルボラーニ伯爵 (Conte Raffaele Ulisse Barbolani [1818-1900]) が故郷に持ち帰った写真を展示いたしました。

(伊藤直樹シカゴ日本国総領事の挨拶)

トークイベント

復活祭休暇の前日にあたる4月18日(木)には、スペシャルトークイベントを開催しました。当日は66名の招待客で賑わい、伊藤直樹シカゴ総領事のご挨拶にいわざなわれ、江戸から明治への東西文化の出合いを追体験いただきました。

同総領事館広報文化センターでは、2017年以来、半年に一度の割合で、展覧会を共催させていただいていますが、毎回、日本文化についての独自の洞察を紹介する関連レクチャーも、講師として担当しています。

今回は、江戸から明治へと大きな変革を受けながらも、1400年以来、受け継がれ進化し、モダニズムの伝統とともに、現代においても深化しつづける「日本建築のDNA」について、お話をさせていただきました。

(伊藤みろレクチャーの様子)

特にモダニズム建築の世界的な「聖地」の一つである、シカゴとの接点を探る意味で、フランク・ロイド・ライトの建築作品への影響を、日本建築の1400年の伝統の中から、あぶり出す試みを行わせていただきました。

実際、一般にはあまり知られていませんが、明治維新を契機に、日本の建築が西洋の様式を急激に学んでいく最中、まさに同時並行で、19世紀末以降、西洋では日本の浮世絵が印象派絵画に大きな影響を与えたように、西洋建築においても、日本の社寺や家屋に影響を受けた「逆の流れ」が急速に展開していたのです。

とりわけ、コロンバスの新大陸発見400年を記念したシカゴ万博(1893年)において建てられた日本パビリオン「鳳凰殿(Ho-o-Den) 」は、歴史主義様式の復古的な建築からの脱却を図ろうとしていたアメリカの建築界に、衝撃をもって迎えられました。それを代表するのがフランク・ロイド・ライトで、万博の翌年の1894年には、壁を作らない大きな平面を特徴とするプレーリースタイルが発表され、モダニズム建築運動の発端の一つとなりました。

もとより、シカゴ万博の鳳凰殿(日本パビリオン)は、宇治の平等院鳳凰堂をモデルにした建物でしたが、そこに結実された日本文化1400年の伝統、とりわけ柱と梁で作られた壁を作らない木構造、多重の屋根やひさしの意匠、寝殿造り様式に見られる、庭園を中心に蔀戸(格子)や妻戸(観音扉)を開けると、外部空間と内部空間が溶け合う空間設計が、西洋建築のあり方を根本的に変える要素として、受けとめられました。

(シカゴ万博「鳳凰殿(日本パビリオン)」1893年築、1946年焼失、
出典: シカゴ美術館アーカイブ)

日本の建築は、仏教とともに渡来した隋・唐の様式をもとに、飛鳥・奈良時代に木質構造の仏教建築が花開きました。神仏集合の伝統とともに、平安〜鎌倉〜室町時代を経て、高度に深化した木造の寺院建築は、家屋建築においても、時代時代において、社会構造や生活様式の変化、精神性や美意識の発展とともに、日本独自の発展を遂げ、寝殿造り、書院造り、数寄屋造を生み出していきました。

そうした解説を行いながら、日本建築のDNAの究極の形を近世、とりわけ15世紀末〜16世紀以降の「接客空間」としての茶席、すなわち茶室に凝縮された表現主義的な小宇宙や有機建築の中に見出していくレクチャーとなりました。

(トーマス・ガウバッツ准教授の講義)

続くレクチャーは、ノースウェスタン大学のトーマス・ガウバッツ准教授による江戸庶民の生活空間についてでした。明治維新後も、庶民の住居空間が変わらなかった点について、式亭三馬の「浮世床」を題材にとりながら、ユニークに紹介していただきました。

建築、音楽、身体におけるさまざまな東西の出合い

トークイベントの最後には、滝廉太郎の「荒城の月」をバレエとして仕立て、国際派バレリーナ春双が舞いました。芸術監督は私自身が務め、明治の文明開化の波の中で、過ぎ去る行く江戸を偲びながら、擬洋風スタイルの衣装をデザインし、明治の東西文化の出合いを身体を通して、しなやかに示すことができました。音楽は、Hagiが琴や波の音、白州の玉砂利を踏む音などの日本的な要素を使って、サウンドデザインを手がけました。

(バレエ「荒城の月」を踊る春双)

「建物にみる江戸・東京」展は、2018年8月〜9月に日本カメラ財団JCIIギャラリー(東京千代田区)で開催されました。このたびのシカゴ展の後は、東京オリンピックとの関連から、今後、他の国へも巡回できたらと願うところです。

イタリア公爵が持ち帰ったまま135年間封印されていた江戸・東京の景観は、銀座大火(1872年)、関東大震災(1923年)に続く第二次世界大戦の東京空爆により、いまは失われてしまった往時の東京を捉え、建築史においても、類い稀なる「東西文化の出合い」を克明に伝えています。

明治時代以降、同時に逆方向で進んでいた東西二つの建築の相互影響を考えるとき、現在、日本の建築家が世界的に大活躍する土壌も、透けて見えてくる気がします。

末筆ながら、このたびの展覧会開催のためにご尽力いただいた多くの皆さまに、共催者を代表して、心から厚く御礼申し上げます。

令和元年年5月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ代表

(在シカゴ日本国総領事館広報文化センター)

(更新: 2019年6月21日)

【第14回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.13 ギリシャと奈良をつなぐヘレニズムの華

2019-01-16

「光と希望のみち」展は、2016年5月にNY国連本部で始まり、7カ国8都市目の巡回先として、神話と東方教会の聖地であるギリシャへやってまいりました。

日希修好通商航海条約締結120周年記念事業キックオフ行事として、ビザンチン・キリスト教博物館で1月16日から開催されます(2月10日まで)。

開催場所のビザンチン・キリスト教博物館は、ギリシャ国会議事堂(旧王宮)やフランスやアメリカ、オーストリアなどの各国大使館、博物館が立ち並ぶアテネのメイン通り、ヴァシリシス・ソフィアス大通りにあります。

この博物館の二階の企画展ギャラリーにて、天平彫刻の最高傑作である東大寺の至宝を中心に、春日大社の舞楽面を加えた奈良の国宝・重要文化財46点が、写真作品として、ギリシャで初めて紹介されます。もとより同博物館では、日本をテーマにした企画展は、1914年の創設以来、初めてのことだそうです。

アテネの聖地の中の「平城京」

世界でも有数のキリスト教博物館の二階に、日本の神仏混交の聖地である「奈良」がすっぽり入ってしまったような、奈良の神秘的かつ聖なる雰囲気が、厳かな静けさを湛えています。

“Road of Light and Hope” at the Byzantine and Christian Museum, Athens

とりわけ大仏さまの作品がかけられた広間からは、アテネで一番高いリカヴィトスの丘上のアギオス・ヨルギオス教会が望まれ、神々を抱く天の玄関にいるような神妙な景観が開けています。

アクロポリスの丘と双璧をなす、標高227mのリカヴィトスの丘は、カラスの凶報により、女神アテナが落とした岩が山となったといわれますが、ギリシャも、日本と同様、多神教による汎神観の脈絡が自然と共に今も息づいているように思えます。

View from the terrace of the Byzantine and Christian Museum

女神アテナの岩山を眺めていると、山自体がご神体の奈良の三輪山を思い出します。頂上のヨルギオス教会は、元伊勢と呼ばれる檜原神社にも思えてきます。

ヘレニズム文化の華

もとより、仏像や仮面も、ギリシャの神々を喜ばす奉納像(アガルマ)を起源とすることから、天平彫刻に反映されたヘレニズム文化の影響を、古代の東西文化の交流の証として紹介する同展は、ギリシャへの「恩返し」のような趣旨を担っています。

ここでは、古代ギリシャの神々も、イエスキリストも、展覧会の中の仏陀も天部も菩薩も、伎楽面も舞楽面も、清らかな空気に包まれて、清涼感と静粛を湛えて共存しているような、平和そのものの調和があることを感じさるを得ません。

Main entrance of the Byzantine and Christian Museum

この調和のとれた平衡状態を目指していくのが「光と希望のみち」展の伝えるメッセージであり、そのモデルは1400年前に「和」を唱えた聖徳太子にさかのぼるものです。

アレクサンダー大王の東方遠征とともに、ヘレニズム文化が中央アジアへ伝搬し、仏像となって中央アジアからカシュガル、コータンまたはクチャ(〜トルファン)、敦煌、長安を通って奈良に伝えれらた「叡智」とは、こうした共栄共存の道に他なりません。

会場であるビザンチン・キリスト教博物館のアイカテリーニ・デラポルタ館長も、こうした共存の意義を発信するために、同博物館で、日本の仏像展を開きたかったそうです。物質的な世界の価値観では見えにくなってしまっているものの、世界の異なる宗教行事や宗教美術に結実されている共通の「光」があることを、このたびの展覧会で見せていきたいそうです。

東西文化の源流をつなぐヘレニズム文化の華麗な変遷を、ギリシャから奈良まで辿ることで、すべてが一つであり、皆つながっていること。皆それぞれがかけがえのない華であることを訴えていくのが、「光と希望のみち」展の趣旨になり、それを奈良の世界遺産や国宝・重要文化財の写真や映像作品、講演会で見せていくものです。

日希修好通商航海条約締結120周年記念式典

1月14日の記念式典では、ビザンチン・キリスト教博物館のアイカテリーニ・デラポルタ館長、ゲオルゲ・カトロウガロス・ギリシャ外務副大臣、清水康弘駐ギリシャ日本大使がご挨拶されましたが、ご挨拶の中で「光と希望のみち」展につきましても、「日本とギリシャの古代からのつながりを示す最高の展覧会」とのお褒めの言葉を頂戴いたしました。

それは、まさしく奈良の1400年の伝統力が培ってきた芸術の力、そしてシルクロードを経て、東西文化の融合の結果花開いた、日本独自のヘレニズムの華への賞賛にほかなりません。

His Excellency Ambassador of Japan to Greece, Mr. Yasuhiro Shimizu

なお1月29日(19時30分〜21時)には、ビザンチン・キリスト教博物館での講演会も予定しています。詳細は、ビザンチン・キリスト教博物館のサイトをご参照くださいませ。

http://www.byzantinemuseum.gr/en/?nid=2371

ギリシャ展の様子は、また第二弾をご報告したいと思います。

末筆ながら、この度の展覧会開催のために、ご尽力いただいた関係各位に、心から感謝を申し上げたいと存じます。

アテネより

2019年1月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ代表

Text by Miro Ito /Media Art League. All Rights Reserved.

“Road of Light and Hope – Voyage of the Hellenism to Japan”

Photographs and Text by Miro Ito

Byzantine and Christian Museum

場所:Leoforos Vasilissis Sofias 22, Athina 106 75, Greece

期間: 16th – 28th January, 2019

共催:Byzantine and Christian Museum、在ギリシャ日本大使館、日本カメラ財団、メディアアートリーグ

後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー

撮影協力:東大寺、春日大社、奈良国立博物館

WEBサイト:http://www.byzantinemuseum.gr/en/

更新:2019年1月26日

【第13回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.12 地球という<いのち>を思いやる

2018-10-30

Poster:”Road of Light and Hope”, Museo Nacional de las Culturas del Mundo, Mexico

共感の連鎖

災害や疫病、戦争や貧困という世界の課題以外に、地球温暖化や環境汚染といった差し迫った問題は、もはや私たちを待ってはくれません。地球を一つの生命として捉え、いのちとして共感し合い、地球を守らなければならない時代がやってきました。

世界の未来に答えるために、思いやりを持って、行動すること_。私たち自身が問題の一部ならば、同時にわたしたちこそが、解決の一部なのです。私たちひとりひとりの地球への思いやりは、小さなさざ波にすぎないにしても、音叉のように、その波動を、世界全体に広げていけるのではないでしょうか。

大地に小さな石が存在しているように、宇宙に星が存在しています。石も星も、人も、動植物も、仲間としてお互いを補い合い、支え合っているのです。この世界観は、東西に共通する普遍性をもつものです。

「1片の木を割っても、私はそこにいる。一つの石を持ち上げても、そこに私を見出すであろう」(イエスの言葉「トマス福音書」より)

極小の塵から、極大の宇宙までを一体的に捉える、東西に共通する叡智こそが、「地球」といういのちへの思いやりのある、行動の規範だと考えるところです。

 

全ては「生き物」としてひとつである

さて、在外公館や国際交流基金からのお力添えにより、展覧会「光と希望のみち」(*)にちなみ、日本国と諸外国の周年行事や文化機関において、大変光栄にも、スピーカーとして招かれる機会が増えてまいりました。

(*共催:在外公館、国際交流基金、メディアアートリーグ、日本カメラ財団ほか、後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)

2年前のストラスブール欧州評議会でのスピーチからはじまり、トロント国際交流基金、シカゴ大学、リオデジャネイロ「日本月間」オープニングイベント、そして来月はメキシコシティへ_。

テーマは、東洋の華厳思想、すなわち西洋の新プラトン主義と共通する「すべては一つであり、一つはすべてである」ということ。そして「宇宙も、一つの<いきもの>であり、全てのうちに<共感>なる相互作用がある」(新プラトン主義)というものです。

奈良に残され、受け継がれているヘレニズム文化の影響を色濃く残す、日本の古代の有形・無形の世界遺産をテーマに、そうした東西間の<共感(シュンパティア[συμπαθεια])>を相互に喚起させるために、展覧会・映像上映およびレクチャー形式で、訴えていくものです。

1400年前に遡り、シルクロードを介して東西文化の源流をつなぐ傑出した国宝・重要文化財の写真作品を「証拠」として見せながら、私たちが「皆ひとつであり、すべてがつながっている」ことを伝える趣旨を担っています。

 

リオからメキシコシティへ

本年7月には、ブラジル日系移民110周年を記念し、リオ・デ・ジャネイロで開催された「日本月間」での写真展「光と希望のみち」では、記念行事のオープンングでレクチャーを行い、映像上映もさせていただきました。

行事の後には、列席されたアメリカ総領事から、<共感>の言葉をいただけたことが、貴重な収穫となりました。またリオ州立大学での体験も、東西文化の交流史を地球規模で示していくことの重要性につき、確信を強めてくれました。(※日本月間には、3週間半の開催中に、6万2000人の訪問客がありました。)

来月のメキシコシティでは、日墨外交関係樹立130年を記念するイベントが、メキシコ国立多文化博物館において開かれます。近年にない規模の大型日本文化紹介イベントが行われ、世界巡回展「光と希望のみち」も参加させていただきます。

11月8日の記念式典では、高瀬寧(やすし)メキシコ日本国大使、国際交流基金メキシコ日本文化センターの杉本直子所長に次ぎ、私もスピーチをさせていただく予定です。<共感>の輪が、これよりメキシコへも広がることを願う次第です(展覧会は12月3日まで)。

 

見えないものを見る

Poster : “Signs of the Intangible”, JIC Hall / Consulate-General of Japan in Chicago

 

一方、日加修好90周年を記念し、在トロント日本国総領事館のご後援のもと、5月から6月末までトロントの日系文化会館で開催された「隠し身のしるし(Signs of the Intangible)」展は、11月1日から、在シカゴ日本国総領事館広報文化センター(**)へと巡回させていただくことになりました(11月28日まで)。

(**共催:メディアアートリーグ、日本カメラ財団、助成:東京倶楽部、 後援:日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)

同展は、日本の1400年の心体景観をテーマにした写真展です。

もともと超自然的なものへの奉納として芸術が始まり、見えない自然の力(カミ)が仏教の受容とともに、形を得て仮面となり、仏像・神像となり、さらに身体芸術となりました。1400年の歳月とともに、高度に洗練され、磨かれ、深化さえもされて、能から前衛舞踏に至るまでの、日本独特の心体文化を形づくってきました。

そして仮面が見えないものと見えるものをつなぐ「境」であるならば、身体は、神仏集合の1200年の伝統において、悟りを目指す修行の「場」と考えられてきました。

こうした日本の奉納の身体芸能の独自の歴史については、ノースウェスタン大学の招待により、11月16日の特別レクチャーで、お話させていただく予定です。

私の試みは、過去と未来をつなぎ、東西文化の「橋掛かり」をつくることですが、講義の中では、身体を通して、私たちひとりひとりが、生き生かされているという<永遠なるもの>とつながりうる心体文化について、語っていきたいと思います。

もとより有限ないのちは、宇宙の無限の生命循環の中で、永遠なものへと帰ってくわけです。現実世界では、心身一如を通して、永遠なるものとつながることで、見えないもの、見えるものも、すべてがつながっていることに、気づくことができるのではないでしょうか。

在シカゴ総領事館JICホールでは、11月13日午後6時より、伊藤直樹総領事からご挨拶をいただき、アーティストトークイベントを行います。

また伎楽をバレエとして復興させた「伎楽バレエ」(踊り手:春双)も、シカゴでは二度目の発表になりますが、トロント、リオ、そして11月8日のメキシコに続き、披露させていただく予定です(芸術監督:伊藤みろ)。

✨✨✨✨✨

11月にシカゴ、そしてメキシコティへお越しいだだける際には、ぜひご来場いただけるようでしたら、大変幸せに思います。

東西の交流の歴史とつながりながら、地球への思いやりを乗せて

(文中敬称略)

2018年10月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Text by Miro Ito /Media Art League. All Rights Reserved.

【第12回】伊藤みろ発:メディア=アート+メッセージ No.11「トロントからリオへ:平和への祈りと巨像の道」

2018-08-20

(Mês do Japão 2018 フライヤー)

トロントからリオへー平和への祈りと巨像の道

残暑お見舞申し上げます。

本年は、長崎の平和祈念式典に、国連のグテレス事務総長が初めて参列し、核なき世界平和への祈りが、国境を越えてさらに広がることが願われました。

私自身、マザーテレサが毎日唱えていたという「フランシスコの平和への祈り」を厳かに反芻しました。自らを「平和の道具」とならしめるための、祈りのことばです。

主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。 

憎しみのある所に、愛を置かせてください。

侮辱のある所に、許しを置かせてください。

分裂のある所に、和合を置かせてください。

誤りのある所に、真実を置かせてください。

疑いのある所に、信頼を置かせてください。

絶望のある所に、希望を置かせてください。

闇のある所に、あなたの光を置かせてください。

悲しみのある所に、喜びを置かせてください。

… … … …    … … … …

(以下続く[*])

さて、6月のトロント日系文化会館でキックオフとなった新しい世界巡回展「隠し身のしるし (Signs of the Intangible) 」に続き、7月には外務省の招待により「ブラジル日系移民110周年記念事業」のため、トロントからリオデジャネイロを訪問しました。

中央郵便局の歴史的な建物が文化センターとなった「リオ郵便局文化センター (Centro Cultural Correios) 」を会場に、「日本月間 (Mês do Japão)」が行われ、私は、5カ国6都市目の展示となった世界巡回展「光と希望のみち(Road of Light and Hope) 」を開催させていただきました(共催:リオデジャネイロ日本国総領事館、国際交流基金、日伯文化協会、メディアアートリーグ、日本カメラ財団、後援:郵便局文化センター、110周年記念委員会、日本ユネスコ協会連盟、奈良県ビジターズビューロー)。

リオの「日本月間」は、ブラジル三大紙聞の一つ「Segundo Caderno」紙で大きく取り上げられ、オープニングイベントには、合計300人くらいの方々にお集まりいただきました。

東大寺や春日大社、奈良国立博物館の特別協力のもと、7年がかりで撮り下ろした極めて貴重な奈良の国宝・重要文化財を紹介する写真作品シリーズを前に、星野芳隆総領事、日伯文化協会会長、郵便文化センター館長からご挨拶をいただきました。その後、私のショートレクチャー&映像上映に加え、私自身が芸術監督を務め、伎楽をバレエとして復活させた「伎楽バレエ」 (踊り手:春双) も、会場に華を添えてくれました。

このイベント「日本月間(Mês do Japão)」へは、7月4日から29日までの3週間半の間に、6万2000人が訪れてくださいました。

 

二つの巨像

さてリオデジャネイロといえば、標高710mの「コルコバードの丘 (Morro do Corcovado)」の上に、両手を広げて聳え立つ「キリスト像 (Cristo Redentor)」が有名です。

奈良の大仏さまが”復興”のシンボルならば、リオのキリスト像は”独立”のシンボルです。歴史を紐解くと、かつての宗主国ポルトガルは、ナポレオンの侵攻により1808年から14年間、ブラジルのリオデジャネイロに遷都していた時期がありました。その後、ナポレオンが倒れたのち、リスボンに国王が戻り、その余波の中で1822年、ブラジルが独立を果たしました。その独立100年を機に工事が始まり、1931年に高さ38メートルのキリスト像が建てられました。

その威容は、リオの人々の心の拠り所であり、世界中の訪問客で溢れかえっています。もとより巨像には、奈良の大仏さまと同様、宗教の垣根を越えて、人々の心をつなぐ役割があるように思われます。祈りにおいて、皆が一つになれるからです。

祈りの内容は十人十色ながら、冒頭の「フランシスコの平和への祈り」は、「慰められるよりも慰め、理解されるより理解し、愛されるよりも愛することを求めさせてください」と続きます。そして結句では「与えることで人は受け取り、忘れられることで人は見出し、許すことで人は許され、死ぬことで人は永遠の命に復活する」と結ばれます[*] 。

まさに「愛されるよりも愛すること」「許すことで許されること」にこそ、平和への道があるように思います。そして言葉の上だけではなく、人々の行為がその種となることで、キリストや仏陀の心とも一体となれるように思うのです。

巨像には、自らが平和の種となれることを示し、光となれること(自灯明)へと導く道としての力があるように思われます。

 

巨像の道(グレイトブッダロード)

さて、リオ州立大学での特別講義のテーマは、昨年のシカゴ大学での講義と同様、盧舎那大仏が伝来した「シルクロード叡智の道」についてでした。

アジアの巨像を含む石窟仏教寺院の伝統は、1世紀頃のバーミアン(バクトリア地方)からカシュガルへと抜け、タクラマカン砂漠とタリム盆地の上方を西へ進む天山南路を、クチャ(キジル) 経由で、トルファンに至り、敦煌、雲崗、龍門において開花しました。その西域からの伝統が、唐王朝のときに奈良へと繋がった道を「叡智の道」として紹介しました。

もとより大仏さま造立の背景にある叡智とは、華厳の教えが説く「皆がひとつ」であり、「誰もがかけがえのない華である」というものです。その華厳の心を、「日本月間」を飾るオープニングのレクチャーにおいて、大仏さまや伎楽面の映像作品を通して訴えさせていただきました。イラン出身の移住者の女性からは、「皆がひとつであり、それぞれが多様な華であること」はブラジルの心と同じであり、大いに賛同いただきました。

またリオ州立大学での講義は、ブラジルの若者たちに、予想以上に支持される好結果となりました。1400年前の多文化主義を体現したかのような東大寺の伎楽面・春日大社の舞楽面は、500年以上かけて、ブラジル文化に花開いた多民族主義と重なり合う部分があるためか、1時間半の講義の後は、1時間以上も学生たちと懇談をしました。

盧舎那大仏を「日本の復興の象徴」として紹介するSegundo Caderno紙 (2018.7.4)

聖徳太子が思いみた「和」の心を体現する伎楽面や舞楽面。そして聖武天皇が生きとしいけるものすべての幸せを願って、延べ260万人の国民とともに造立した大仏さま。この夏は、国策として多様性と包容性を掲げるカナダからブラジルへ渡航し、二つの多文化主義の国々で、実に多くの方々にご賛同いただいた体験が、かけがえのない収穫となりました。

この後「光と希望のみち」展は、「日墨外交関係樹立130周年」を記念してメキシコシティを訪れる予定です。

奈良の人類遺産の普遍的な訴求力を通して、平和への祈りの道であり、叡智の道を、引き続き世界に発信していきたいと改めて強く誓う次第です。

さまざまなご支援を与えてくださった関係各位の皆様のご尽力には、心から感謝申し上げ、 平和への祈りを込めて、残暑のご挨拶に代えさせていただきます。

2017年8月吉日

伊藤みろ メディアアートリーグ

Text by Miro Ito/Media Art League. All Rights Reserved.

注[*] Wikipediaより抜粋

← Older posts

ニュース

  • 2021年10月30日講演会「日本の二人の聖人 聖徳太子と聖武天皇~時を超える普遍のこころ」by Miro Ito 開催 2021-10-16
  • ★東京「まほろば館」奈良県文化イベントのご案内 ★3月20日・21日 2021-03-01
  • 奈良県主催 MIRO ITO ★映像&トーク 「春日大社・平安の正倉院〜シルクロードの至宝」 2021-02-11

ブログ

  • 【第21回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.20 地球への愛と責任感を実践する「環境革命」に向かって 2022-01-01
  • 【第20回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.19 国のはじまりの奈良ー聖徳太子・聖武天皇「日本の二人の聖人」から大和四寺「花巡礼」まで (by Miro Ito) 2021-10-21
  • 【第19回】MIRO ITO発:メディア=アート+メッセージ No.18「本物の日本遺産イニシアティブ」発足のご案内 2021-08-07
Menu   ≡ ╳
  • ENGLISH
  • HOME
  • 概要
    • メッセージ
    • ステートメント
    • 活動内容
    • クロニクル
    • クライアント
  • 伊藤みろ
    • 略歴
    • ポートフォリオ
  • 発表実績
    • 映像作品
    • 写真展
    • 書籍発刊
    • メディアでの紹介
    • メディアでの仕事
  • 文化芸術プロジェクト
    • クロスメディア
    • 展覧会の内容
    • 世界遺産の撮影
    • 寄贈実績
    • 協力・後援・助成
  • クリエイティブプロジェクト
    • アートプロデュース
    • CSR活動プロデュース
    • 撮影プロジェクト
    • WEBメディア制作
    • デザインプロジェクト
  • 出版・教育活動
    • 出版活動
    • 主な出版物
    • 書評・著者インタビュー
    • 教育活動
    • 教本・評論
    • 講演・ワークショップ
  • 国際コミュニケーションズ
    • 国際メディア業務
    • 調査プロジェクト
    • ハイエンド翻訳
    • 取引実績
    • Andreas Boettcher 略歴
  • USA NPO活動
    • 使命
    • 趣旨・目的
    • 活動内容と基本的な流れ
    • 設立・展望
    • 平和への貢献
  • ニュース
  • ブログ
  • お問い合わせ
Media Art League
▲
  • Facebook
  • サイトマップ
  • 推奨環境
  • お問い合わせ
Copyright © 2015-2022 Miro Ito & Media Art League. All rights reserved.
Concept & Direction by Media Art League
Original Japanese Text & Images by Miro Ito
English Text by Andreas Boettcher
Web Design by Masafumi Umetsu